鍵善良房　本店

全国にファンを持つ、鍵善の「くずきり」。新境地となる新店 「ZEN CAFE + Kagizen Gift Shop」も人気です。

創業時期は特定されていませんが、蔵に残る古文書の一番古いもので元禄3年（1690年）とあり、元禄８年（1695年）のものには「縄手四条上ル」に「鍵善」という屋号が読み取れるそうです。また、享保11年（1726年）と記された漆塗り螺鈿模様の菓子外箱が残されおり、少なくとも享保年間には菓子屋を営んでいたようで、創業して300年近くということになります。お店は、創業以来「縄手四条上ル」に構えられていましたが、明治になって四条通りが拡張された際に、現在地（四条通沿い、花見小路の少し西）に移転。八坂神社の門前町という場所柄、多くの寺やお茶屋などに菓子を配達されてきました。昭和に入ると、12代目の店主・善造氏が民芸運動に関心を寄せ、店の調度や意匠を木工の黒田辰秋氏に任せ、当時の鍵善は、さながら文化人のサロンのような存在だったそうです。戦時中は一時閉店されましたが、戦後昭和30年（1955年）に再建。その後、店の2階で名物「くずきり」が食べられるようになり、平成10年（1998年）の全面改装を経て、現在は1階の奥が喫茶スペースになっています。また、高台寺に支店を設け、さらに近年（平成24年11月）では、「ZEN CAFE + Kagizen Gift Shop」を祇園町南側の風情ある路地にオープンされました。「ZEN CAFE + Kagizen Gift Shop」の斜向かいにはギャラリー「空　鍵屋」があり、そこでは美術や工芸に関するイベントが開催されるなど、今も文化サロンとしての役割を担っている老舗和菓子屋さんです。